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小人堂の気まぐれな覚え書 (画像はクリックすると大きくなります)
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2007年2月22日(木)

今回の旅行は家人の勤続10年目のリフレッシュ休暇だったので、
ゆっくりヴェネツィアで過ごすのが目的だ。
なのに、ヴェネツィアについてすぐ、電車で片道1時間40分かけてフェラーラに
行くことになった。
その訳は・・・

 




怠け者の節句働きとはよく言ったもので、前日2時に寝たのに6時半に起床した。
冬のヴェネツィアの6時半はまだ暗い。
私たちが宿泊したホテルはヴェネツィアで唯一の広場であるサンマルコ広場のすぐ近くで
サンマルコ運河に面した、最高の場所にある。
すぐ近くには、私の憧れの超高級ホテル「ダニエリ」もあったりする。
もしかして、部屋から海が見えないかしらと、期待をこめて窓を開けてみた。
見えたのは薄暗い通りだけ。残念。
4つ星ホテルの割りに安い宿泊料金で、しかもバスタブ付の部屋を要求したのだ。
この上、海が見える部屋なんてのは贅沢な要求かもしれない。

6時半とはいえ既に働いている人がいる訳で、あちこちから「おはよう」だの
「調子はどうだい」なんて声が聞こえてくる。もちろん、イタリア語で。
それが、当たり前なんだけど外国っぽい訳で、改めて今いるのはイタリアなんだ、
と、実感するのだった。

薄暗い通りを見ながらのんびりしている訳にはいかない。私には使命があるのだ。
前日の夜、75ユーロの恐怖に怯えながら寝た、バスローブの件を確認しなくてはならない。
が、辞書を引きながら解読するのは面倒だったので、フロントに問い合わせることにした。
顔を洗い、あちこちにはねまくった髪をひとまとめにしてごまかし、外に出てもいい服に着替え
フロントを目指す。
電話で聞くにはお粗末な語学力なので、行くしかないのだ。
前日、深夜のチェックインだったので、パスポートを預けていた。
そのパスポートを引き取るふりをしつつ、75ユーロに怯えていることを気取られないように
本題をさらりと聞く。完璧な計画だ。ただ、完璧じゃないのが私の語学力だった。
件の紙を見せながら、「この75ユーロは購入料、それとも使用料」と
単刀直入に聞いてしまったのだ。
返ってきた答えは「購入料であって使用料ではない」だったんだけど、
自分の格好悪さに反省。
4つ星ホテルに宿泊しているのに、たかが75ユーロを気にするせこい客
って思われてるんだろうな。
実際、せこいし貧乏なんだけどさ。
何で4つ星なんかに泊まっちゃったかね(って、お前の希望だ。バカめ)。

反省しながら部屋に戻ってみると、家人が起きていた。
事の顛末を話そうと思ったら、
「バスローブの使用料金は必要じゃない」と家人に先に言われてしまう。
何で知ってるの?君はもしかしたらエスパーなのか?
答えは簡単。例の説明書には続きがあったのだ。
How to own this bathrobe as keepsake…
If you wish to keep this robe as a momento  of our stay,
please phone the  Front Desk prior to your departure
and a €75,00 charge will be added to your account or
if you wish you can pay it cash
何てことだ。私はフロントのおっちゃんに、更に英語もダメという印象を与えていたのだった。
せこくてイタリア語が不自由ってだけでも痛いのに。
事実、英語もダメなんだけど、人には良く思われたいじゃないか。
このホテルには後6日も泊まる。しかも、料金は既に払っている。
滞在6時間目の失態に、家人は笑ってくれたけど、私としては笑えなかったのは当然である。

こんなときは気分を変えるに限る。ご飯だご飯。
ご飯といえば、出発前、旅行サイトでこのホテルの評価を読んだ。
投稿者曰く、室内も場所もサービスも申し分ないが、一点不満があるとすれば朝食だ。
このクラスのホテルなのに、ハムとかベーコンとかの肉類がないのがいただけないそうだ。
元々ホテルの朝食に大して期待もしていなかったので、値段と場所でこのホテルを選んだ。
私は肉なんて食べないしな。

ところが、ホテル側がこの投稿を読んだのかは不明だが、素晴らしく改善されていた。
パンはイタリアのパンなのに、焼き立てでウマイ。
7年前の旅行ではイタリアのホテルのパンは最悪だと印象付けられていたので
嬉しい誤算である。
チーズも種類が豊富で、肉類や玉子料理も充実しているし、フルーツも新鮮だ。
そして、デザートが感激の美味しさで、コーヒーやチョッコラータと良く合うのだ。
オレンジジュースも絞りたてかしらというくらいのうまさである。
そして、何より、レストランからの風景がご馳走である。
部屋から見れずにガッカリした、海が一望できるのだ。
行きかう人や海を見ながらの朝食はとても贅沢だ。
気をよくして、朝から食べ過ぎてしまうおバカたちであった。

腹ごしらえが済んだら、出かけるだけ、の筈なんだが、出かける前に大事な仕事がある。
それは、ホテルで用意している、無料のヴェネツィアの地図を貰うこと。
ここで入手しておかなければ、有料なのだ。しかも、どこで買えるのかすら分からない。
何が何でも貰わなきゃならないのだ。
その為にはフロントに行かなくてはならない。
バスローブの一件もあって、どんよりした気持ちでフロントに赴く。
さっきとは違う人がいた。ラッキー!
首尾よく地図を入手する。

ついでなので、ドゥカーレ宮殿のシークレットツアーの予約をお願いする。
ところがである。ホテルマンは言った。
「直接、ドゥカーレ宮殿の窓口に行かないと予約はできない。
 ドゥカーレ宮殿はここから歩いてすぐだ。
 自力で頑張れ」だって。
部屋に備え付けてあった「VENICE」という英語で書かれたガイドブックには
電話でも予約できるようなことが書いてあったのに、おかしいわ。
だが、ホテルマンは怯まない。 
「君はイタリア語をちゃんと話せるから大丈夫。
 さぁ、行け。行ってきたまえ」
と、続けるんである。
こんなことを言われたら、やるしかないじゃん。
だって、私はお調子者なんだもの。

そんな訳で、部屋においてあったガイドブックをひっつかんで、ホテルから徒歩1分の
ドゥカーレ宮殿のチケット売り場に行った。
ガイドブックを見せながら、窓口に到着。
あっけないくらい簡単に、翌日朝一番のコースの予約ができたのであった。
怠惰な(?)ホテルマンのおかげで、ステップアップした瞬間だった。

地図も手に入れたし、予約も完了した。もう、ヴェネツィアに用はない。
さあ、出かけるだけだ。今日はフェラーラだ。
折角イタリアに来たのだ。ちょっとでもボルジア家に関する何かを探したいのが人情だ。
だって私はいっぱしのボルジアオタクなんだもん。仕方があるまい。
ボルジア家の本拠地はローマなので、見所もローマが多い。
だが、ヴェネツィアからローマは遠いのだ。
イタリアの高速鉄道ユーロスターでも片道4時間半かかるのだ。

で、目をつけたのが片道わずか1時間40分で着いちゃうフェラーラである。
ヴェネツィアから一番近いボルジアスポットであるといえよう。
フェラーラはチェーザレ・ボルジアの妹であるルクレツィア・ボルジアの終焉の街である。
「フェラーラの首尾如何で、ローマ行きを断念するかもしれない」
「イタリアの電車は楽しいぞ~。乗りたいよね電車」
というのをエサに家人も無理やり連れて行く。

フェラーラに行くにはまずヴェネツィアのサンタルチア駅まで行かなくてはならない。
ご存知の方も多いと思うが、海上に浮かぶ人工都市ヴェネツィアに車はない。
ひたすら歩くか、船を利用するしかないのだ。
他に類を見ない美しさを誇る都市であるが、目的地まで歩くとなると若干問題がある。
迷路のように入り組んだ街なのだ。
地図を見たって、簡単に迷子になれる街なのだ。
目的地まで最短距離で歩く、なんて言うのは至難の業である。
今日の目的はヴェネツィアではない。
ヴェネツィア歩きは後日ゆっくり楽しめばいい。
週間ヴェネツィアに滞在するのだ。時間はある。
って訳で、迷わず船を選択する。

観光客が足として使える船は主に3つである。
一つ目、かの有名なゴンドラ。目玉が飛び出るようなお値段。
二つ目、水上タクシー。ゴンドラよりは安いけど、決してお安くない。
三つ目、ヴァポレット(水上バス)。近年価格は上昇したが、観光客の足となりうる。
貧乏な旅行者である我らは、これまた迷うことなくヴァポレットを選択した。

日本で入手した、貧乏旅行者の味方の「地球の歩き方'06~'07」によると、
ヴァポレット1回の値段は3,50ユーロ。2人で7ユーロ。
ちょっと高いが、時は金なりだ、仕方があるまい。
本当は1日券を買った方がお得だが、今日は終日フェラーラなのだ。
1日券だと勿体無い。なので、1回券を買うべく、切符売り場に行った。
7ユーロ用意して「大人2枚下さい」と言ったら、窓口のお姉さん切符を出しながら
「12ユーロです」と言う。
え?何だって?
今、12ユーロって聞こえたような気がするんだけど。聞き取れなかったのかしら。
仕方がないので「もう1回言ってください」と尋ねたら、答えは同じ「12ユーロです」。
「12ユーロ?本当なの?」と、思わずオーバーアクションで言ってしまう。
お姉さん、怪訝な顔で「勿論です。12ユーロです」と言う。
しぶしぶ12ユーロ払い、チケット売り場の看板を確認すると、そこにはちゃんと
1回6ユーロと書いてあった。
地球の歩き方が改定された2005年10月28日から、約倍に跳ね上がっているなんて・・・。
想定外だよ。
同じく地球の歩き方にあった「ヴァポレットの値段が高いので、とにかく歩いて観光しました」
というのを実感した瞬間であった。

ホテルの目の前のサンザッカリア乗り場から、ヴァポレットに乗り込む。
ヴァポレットの高さに直面し、あまり乗る機会がないかもしれない、と、直感する。
だったら、ここは超観光スポットを通ってやれ、ということで、
ヴェネツィアの中央をZ字型に流れるカナルグランデと呼ばれる大運河を通って駅まで行く。
大運河にかかるアカデミア橋、リアルト橋、スカルツィ橋を船の下から見るのも楽しい。
運河の両岸の建物を、ああだこうだと言いながら眺めていたら、あっという間に駅に着いた。

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